私たちの仕事は、システム開発でも、電気工事でも、「言葉にしきれない技術」がたくさんあります。
その多くは、誰かの仕事ぶりを見て、感じて、真似て、ようやく身につくもの。
つまり、「背中で語る」ことが、今も昔も変わらず大事なのです。
過去のやり方に頼らない
現場に出れば、「前の会社ではこうだった」「昔はこうやっていた」と言いたくなることもあります。
けれど、現場の環境も、道具も、チームも常に変わっています。
今その場所に最適な方法を考えられるかどうかが、信頼されるプロの第一歩です。
いいものは、現場を問わず取り入れる
システム開発の設計の工夫、工事現場での段取りの知恵――それらは部署を超えて共有できる価値があります。
大切なのは、出どころよりも「それが現場を良くするかどうか」。
柔らかく学び続ける姿勢が、技術を育てます。
語らずとも伝わる背中
後輩や新人は、意外とよく見ています。
コードの書き方、ネジの締め方、配線のまとめ方、道具の片付け方。
そうした振る舞いのすべてが、無言の教材になります。
「何を言ったか」ではなく、「どう動いたか」が、もっとも伝わるのです。
受け継ぐもの、見直すもの
すべてを変える必要はありません。
でも、「ずっとこうしてきたから」という理由で残っているやり方があるなら、一度立ち止まって考えてみる。
それができる人は、技術だけでなく現場の文化も前に進めていけます。
おわりに:未来に残る“背中”を
私たちの仕事は、次の世代につながっていきます。
そのとき、残せるのはマニュアルだけではありません。
「この人みたいにやりたい」と思ってもらえるか。
その背中が、いちばんの伝承手段かもしれません。